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日本サッカー協会では、2002年ワールドカップ後の新スタートにあたり、「10年以内に世界トップ10を目指す」という大目標を掲げました。それを実現するために、従来から掲げている「三位一体の強化策」に普及をプラスしました。すなわち、従来から、代表チームの強化ばかりでなくユース育成、そしてそれを指導する指導者の養成が一体となった総合力向上を目指していましたが、それだけでは不十分で、強化・育成と普及の両方を重視していくということです。普及によりしっかりとしたベースを築くことなくして、その上のトップの強化はありえないということです。 |
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普及により、すそ野を広げ、広くて堅固なベースを基に高い山を築くことが重要です。 |
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キッズを中心としたグラスルーツへの働きかけで生涯サッカーを愛し、楽しむ人たちを増やすこと、そのことがサッカー全体を支える大きな力になると考えています。 |
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2003年度より、「キッズプログラム」を開始しました。U-6、U-8、U-10の子どもたちに、サッカーとの良い出会いの機会を提供し、ガイドラインを提示してその年代の子どもたちにとって良い環境・良い指導を与えることを目指しています。また、レディースフットボール、ファミリーフットサル等の普及にもつとめ、日本サッカー界を大きく包んで支える力を得ています。 |
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強化・育成の観点から、長期的視野に立った育成の考え方を非常に重要視しています。子どもは小さな大人ではなく、比例して一直線上に成長していくわけでもありません。さまざまな要素がさまざまな年代に別々の速度で伸びていき、年代毎にそれぞれ個別の特徴を示しながら最終的にバランスがとれて大人になっていきます。そのため、各年代には、その時にこそ伸ばすことのできる要素があるのです。このことは育成において、非常に大きな意味を持っています。 |
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それぞれの年代の特徴に適した良い環境・指導を与えて育成することが重要であるということです。 |
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したがって、オンザピッチ、オフザピッチ共に、低年齢から働きかけたほうが良い要素があるのです。また、低年齢のうちに取り組ませても仕方のない要素もあります。このことに留意して、それぞれの年代にやるべきことをやって最終的な成長へと導いていくことが重要です。これは日本サッカー協会の育成の非常に大きなテーマです。 |
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「エリート」という言葉は日本では非常に抵抗感が強いものですが、それはこの言葉の真の意味が誤解されているためであるように思います。そして、その結果、遅れにつながっています。誤った「平等主義」により、社会全体でレベルの低下と共に、リーダー不在の状況が見られます。下の者に疎外感を味わわせないようにするということで、能力の高い者が等閑にされ、伸びるはずの能力が伸ばせずにいるのが現状です。 |
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平等とは、「能力に応じた機会の平等」であるべきです。 |
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本当の意味のエリートは、社会の各分野でのリーダーであり奉仕者であり、確固とした倫理観と社会奉仕精神を兼ね備えている者達を言います。特権階級のことではなく、本来むしろ戦場で先頭に立って闘いに行く存在であり、その者達には常に重大な社会的義務が伴います。能力の高い者に、良い環境と指導を与え、そしてその者は、社会に対する責任を果たす存在となるということです。 |
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私たちは、サッカー界で、真の意味でのエリートとなる人材を育てたいと思っています。それがサッカーの面でも必要である判断力やリーダーシップの面でも大いにプラスになると考えていますし、また、サッカー界あるいはそれを越えた社会で将来的にリーダーとなりうる人材を育成したいと考えています。 |
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リーダー不在、判断力不足は、現代の日本社会の大きな社会問題であるとも言えます。
これに対し、私たちは、サッカー界の中でのアプローチをここに開始し、サッカー界から、スポーツ界から、社会に発信できればと思っています。 |