JFAアカデミー福島

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2007年11月17日

アカデミーで一番○○○

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 アカデミー女子寮にクリスマスツリーが登場した。現在のところ、広いロビーの中で最も際立つ存在である。アカデミー選手の最高身長は187.4cm。それよりも○○○、ビッグツリーである。
 このビッグツリーを組み立てたのは高校生5名+スタッフ2名。マナーセミナーを行っていた中学生たちを驚かそうとカウンセリングルームにこもって飾り付けを行った。
 飾り付けのポイントはバランスよく飾りを配置することと枝を広げること。木製のかわいい飾りを正面から見てエレガントに映るようにつけては取り、取ってはつけるを繰り返しながら作り上げた。時に、ツリーが倒れてスタッフが下敷きになり、ドアの大きさを考えず部屋の中で作成したために外に運び出す時に最上部がはずれるといったハプニングを楽しみながら。作成した高校生曰く、このビッグツリーには「ロマンティックな想い」と「サンタさんが来るようにとの願い」をこめたようである。
 さて、16:30にマナーセミナーを終えてロビーに降りてきた中学生の反応は予想通り。陽が落ちて暗くなったロビーに浮かび上がったクリスマスツリーを観て大歓声を上げていた。
 このツリーには毎晩、練習後から消灯まで灯がともり、練習後に団欒する選手たちの心をいっそう温かくしてくれている。
 
コーチ:坂尾美穂

2007年11月14日

トレーニングマッチ:vsベトナム女子代表戦

 今月11日からJヴィレッジでトレーニングキャンプを実施しているベトナム女子代表とトレーニングマッチを行った。U16、U19それぞれの代表で国際試合を経験している選手はほんの数名。ほとんどの選手が国を代表するチームとの試合は初めてであった。相手チームはフル代表。国際試合と同様、45分ハーフで行った。
 立ち上がりの入り方は上々。選手達もフル代表のチームとゲームができるとあって、下校からキックオフまであまり時間がない中で、集中してウォーミングアップを行いゲームに臨んだ。日々のトレーニングで取り組んでいる、ポゼッションしながらもゴールに向かう姿勢を見せ、相手ゴールを脅かす選手たち。前半15分には積極的、そして創造性が感じられるペナルティエリア内でのスルーが相手のオウンゴールを誘い先制した。しかし、それも長い時間は続かなかった。
 さすがフル代表だけあって、体格はもちろんのこと、ボールへのアプローチスピード、1対1での球際の強さ、DFの背後を突いたときのスピード、ゴールへ向かう迫力は普段の活動ではなかなか体験できないものであった。Jヴィレッジのスタジアムを使用したため、ピッチ条件は抜群。それにも関わらず、相手の速いプレッシャーにおされてしまったのか、コントロール・パスの質が低くなってしまう。ボールコントロールに時間をかけるとボールを動かすタイミングを逸してしまう。そのタイミングは「今!!」という瞬間的な場合が多いため、そのタイミングを逸すると選択肢が少なくなる(特に前方へボールを運ぶ場合)。その結果、ボール保持者は1対1の場面を作られてしまい、個でボールを失わないことに必死になり、味方選手のポジション、アクションが観えなくなってしまう。確認する余裕がなくなってしまうのだ。その結果、やみくもに前方にロングボールを蹴ってしまうプレーが多くなる。もちろん受け手はリアクションでボールを追いかけることになり、ボールを失ってしまう。
 こうなってしまう原因は個のテクニックだけではない。幅をもった攻撃をどのように作り出すか。サッカーにおいて幅と厚みの考え方はとても大切である。幅をもった攻撃をするためにはサイドの選手のポジショニング、突破のために前方のスペースに動きだす、そのタイミングが大切である。前半途中から、このポジショニングが高くなり、そして動きだすタイミングが早くなってしまった。そしてゴールに向かいたいがために幅がない中で、早いタイミングで中央へ走りこんでしまう。こうなると前線に4人(2トップと2サイドハーフ)が張ってしまう形になる。おのずとボール保持者は前方か後ろにしか選択肢がなくなり、ボールを失う要因となってしまった。
 ハーフタイムでこの点を修正し後半に臨んだ。少しずつ効果的にボールが動くようになる。シュートを狙う機会も増えてくる。しかし得点には至らない。一進一退の攻防が続く中で、得点機会は作れるのだが。結果的には終盤にペナルティエリアでハンドを犯しPKを決められ、1-1の引き分けでゲームを終えた。
 ペナルティエリア内で個の力で突破しゴールに結びつける力を含め、個の質を上げていくために、ゲームを振り返り、そしてトレーニングに励む。いつものことだが、これを繰り返し繰り返し、忍耐強く続けていくことが成長への階段を上ることにつながる。
 5年後、10年後に、日の丸をつけてなでしこJAPANの一員としてアジアの強豪と戦い、そして世界の舞台に立つ、その時のために一歩一歩階段を上っていく。
 
コーチ:坂尾美穂
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2007年11月03日

全日本女子サッカー選手権東北大会

 宮城県サッカー場で行われた東北大会1回戦。高校生を中心としたチーム編成で社会人クラブチームに挑んだ。県大会同様ノックアウト方式のこの大会では普段通り自分達のサッカーを追求しながらも勝負にこだわる闘い方が求められた。
テーマとして以下の事が掲げられた。
 
 ・3つのエリアを意識してプレーの目的を考える。
 (しかける場所なのか、組み立てる場所なのか、シンプルに行う場所なのか)
 ・攻撃においては常にゴールを意識してボールを失わずに前に運ぶ
 ・守備においてはブロックを形成し厚みを持って組織的に奪いにいく
 
 ゲーム序盤は相手の細かいパス回しや速い出足に対応が遅れリアクション動作になることが多かったが、時間の経過とともに積極的にアクションを起こし自分達のリズムでゲームを運び始める。しかし、そんな矢先コーナーキックから先制を許してしまう。現代サッカーの約3割はセットプレーからの得点が占めているのを理解しつつも、注意深さが足りなかった場面であった。その後も短いパスでボールと人を動かしながらポゼッション率を高め決定的な場面を何度か創り出すがゴールを奪うまでには至らず、逆に攻撃に意識が行き過ぎてマークが甘くなった一瞬の隙を突かれ追加点を奪われてしまい、前半が終了した。
 0-2、負けてはいるけど決して不利な状況ではない。次の1点我々が先に取ればむしろ優位な状況になる。そのような話を受け後半へ臨み、粘り強く自分達のサッカーを貫いている中でチャンスは生まれた。GKとDFラインの間に放り込んだクロスにタイミング良くFWが飛び込み相手GKとDFを一気に抜き去り得点を奪った。相手の嫌なところを意図的に突いていく、爆発的に一瞬のスピードでボールへ寄り相手を引き剥がす。トレーニング効果による得点であった。こちらのプラン通りの展開となりかけたがその直後にPKを与えてしまい3失点目喫してしまう。その後は負けていることの焦りと運動量の低下からか、相手がいい状態でいるにもかかわらず長いボールを多用して裏へのスペースにボールを運ぶことを急いだり、相手の変化を観ることを忘れイージーミスで簡単にボールを失う機会が多くなってきた。それでも終了間際に怒涛の攻撃で何度も得点チャンスを創り出すがこの試合全体として挙げられる課題であったフィニッシュの精度に欠けゴールを奪うまでに至らず試合終了。
 個々のテクニックは試合状況下で発揮できるようになった。しかし、ボールを失わずに我慢してじっくり組み立てることや、その組み立ての中からいつ、誰が、どこで、どのように急激にスピードの変化をつけて突破にかかるのか。そこが今後の課題であろう。
 残念ながら1-3で敗れてしまい2回戦へ駒を進めることができなかったが試合終了後多くの者が涙を流していた。しかしその涙はいったい何の涙なのか。ただ負けたことに対する涙なのか。自分のプレーの未熟さに対する涙なのか。今回流した涙の意味を各々がしっかりと受け止め、次への糧としなければならない。そして涙と一緒に悔しさも流しては何も残らないことを決して忘れてはいけない。
 
GKコーチ:小林 忍
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