トレーニングマッチ3連戦(vsU-17女子代表・アルビレックス新潟レディース・鳳凰高校)
3連戦の1日目(3月20日)はU-17女子代表との試合。代表メンバーに選出されているアカデミー生も、この試合はアカデミーのチームで出場した。あいにくの天候によりピッチはスリッピーな状態。伸びるバウンドのコントロールに選手たちも苦戦している。キックオフ前には今泉ヘッドコーチから「基本スキルを大切に、スリッピーな状態でもしっかりとボールを繋ごう」という指示が飛んだ。1本目は年齢が上の高校生を含んだメンバー構成もあってか、押し気味に試合を進め11分に亀岡が、続く19分には川島が得点を決めた。2本目、一進一退の試合展開から5分に吉見が追加点を挙げたが、細かなミスを突かれ2失点を献上してしまった。3本目には中学1年生を中心のメンバー構成だったが、防戦一方の展開で1点を奪われてしまい、合計スコアー2-2の引き分けで試合終了。特に若い年代の選手にとって、目標とすべき代表のレベルを肌で感じることができる試合となった。
2日目(21日)はアルビレックス新潟レディースとの対戦だった。昨日からの雨は降り止んだが、Jヴィレッジ特有の強風に見舞われ、キックオフのボールも止まらない状態であった。こういう悪条件の中での試合は、いつも以上に基本スキルの質にこだわることが大切になる。なでしこリーグのチームが相手とあって、押し込まれる展開ながら、しっかりとボールを繋ごうとする選手たち。11分にはDFの連係ミスから失点をするが、徐々にではあるがボールポゼッションも高まっていく。また、今泉ヘッドコーチからの「相手FWに対するマークの確認を明確に」「DFラインのスライドの準備をもっと速く」という指示も受けて、試合を通しながら守備が安定してきた。そんな中23分、右サイドでのコンビネーションから岡本が抜け出し確実にゴールを決め、1-1の同点で前半を終了した。ハーフタイムには守備バランスの確認と攻撃時の連動性を再度確認し後半へ。相手の強いプレッシャーにも慣れてきたせいか、また、高校生を対象に実施してきた持久力アップのトレーニング効果もあり、後半になっても運動量は衰えることはなく、前半より落ち着いてボールを繋ぐことができる。後半24分岡本がこの日2点目となる得点を挙げ、2-1で勝利を飾った。
3日目(22日)は鳳凰高校との対戦。試合前には「アクションを明確にし、パッサーにメッセージを伝える」「ボールを動かしながら相手に取られない位置に置く」「ツートップの距離を適切に保つ」「守備ではボールの移動中にアプローチする」ことを確認しキックオフ。1本目はボールを支配しながらも、サポートが連動せず、またパスのリズムも単調になり、なかなかシュートまでいかない。逆に相手のロングフィードをDFがかぶってしまい決定的なピンチを作られてしまう。GK山根のファインセーブに何回も救われた前半であった。ハーフタイムには今泉ヘッドコーチから「サッカーの一番の目的は何だ?」「そのために逆算してどんなプロセスを踏めばよいのか?」と厳しい口調で投げかけられた。2本目、徐々にではあるがパスワークに流れが出てくる。3人目のサポートが速くなり、ワンタッチパスによるリズムの変化も生まれ、30分ようやく待望の先制点が吉見によってもたらされた。3本目も25分に失点を許すが、28分小島がゴールを決め、2-1で勝利した。
2007年度の活動最後となるトレーニングマッチ3連戦を2勝1分けで終了することができた。1試合毎に成長を遂げていく選手たち。2008年度もどんな成長を見せてくれるのか楽しみである。
文 : 沖山 雅彦