ウィルチェアーラグビー
2008北京パラリンピック競技大会に出場するウィルチェアーラグビー日本代表チームがJヴィレッジでトレーニング合宿を行っている。合宿最終日である本日、アカデミー生たちは練習を見学させていただいた。
Jヴィレッジのアリーナではゲーム形式のトレーニングが繰り返し行われていた。アカデミー生もスタッフもウィルチェアーラグビーを観るのは初めてである。印象に残っているのは体育館内に響く音。ゲーム中は静寂が続く時間帯と、その静寂を破るように車いすのタイヤがフロアをこする音、そしてタックルの際に車いすが激しくぶつかり合う鈍い音が響き渡る時間帯が交互におとずれる。個々の選手の判断、そしてグループとしてのコンビネーションから繰り出される「静」のプレーと「動」のプレー。そこではゴール型ボール競技に共通する相手との駆け引き、スペースに対する攻防、そして激しいコンタクトが繰り広げられていた。その激しさは車いすのタイヤが接触でパンクしてしまうことも頻繁に起こるほどである。
選手もスタッフもコート上で繰り広げられるプレーに釘付けになる。最初はルールがわからず、その車いす同士のコンタクトの激しさと車いすの巧みな操作にのみ目が行っていた選手達も少しずつ競技に対しての疑問が頭の中に浮かび始める。そうすると今度はサポートスタッフの方に質問の嵐。スタッフも含め入れ替わり立ち替わり質問を浴びせてしまった。このサポートスタッフの方はチーム立ち上げ当初からウィルチェアーラグビーの普及・発展、そしてチームの環境向上に尽力されていた方で、ルールから競技特性、そして選手の特性など細かく教えてくださった。
当初の見学予定時間であった1時間をゆうに超えて見学させていただいた。選手の心にもスタッフの心にも大きく残った。北京パラリンピックは9月6日から17日まで行われる。日本の代表としてぜひメダル獲得を目指して頑張ってほしいと願うばかりである。
*ウィルチェアーラグビーとは
四肢麻痺者(頚骨損傷や四肢の切断、脳性麻痺などで手足に障害を持つ人)が車いすでチームスポーツをする機会を得るために1977年にカナダで考案されたスポーツ。2000年のシドニーパラリンピックから公式種目となる。日本では1996年から導入された。
競技には、ラグビー、バスケットボール、バレーボール、アイスホッケー等の要素が組合せられており、バスケットボール用のコート(28m×15m)で行われる。
1チームは4名の選手で構成され、選手は車いすの操作やボールを扱う能力(障害のレベル)により0.5点、1.0点、1.5点、2.0点、2.5点、3.0点そして3.5点の7クラスに分類され、競技中のコート上の4選手の持ち点の合計は8.0点を越えることはできない。競技時間は、1ピリオドが8分間で4ピリオド行われる。
コーチ:坂尾美穂