JFAアカデミー福島

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2008年01月26日

JFA プレミアカップ2008 相双地区予選 出場

 今年に入って3回のトレーニングを経て、とうとうプレミアカップの予選の日が来た。中1選手は気合満点、朝から楢葉中学校の公式戦ユニフォームを準備し、すでに臨戦態勢。残念ながら体調不良で1名の選手が欠場となったが、残り4名の選手が25分ハーフの2ゲームにフル出場した。トレーニングの時から、チームのリーダーシップをとるべく、味方に状況を教えたり選択肢を増やす、或いは自分の意図するプレーを伝えるべく積極的にプレーしていた姿勢は今日も変わらない。同年代の選手でチーム編成されていたからか、普段はリーダーシップをとることについて先輩選手に頼っている面が見られる選手の積極性にも目を見張るものがあった。
 さて、1回戦となった双葉中との試合は3-0で勝利。アカデミー選手が2つのゴールを決めた。選手いわく、後半は運動量が落ちてなかなかリズムがつかめなかったようだが、2回戦に駒を進めることができた。
 2回戦の相手はJヴィレッジスポーツクラブ(以下JSC)。アカデミーの選手はトップ、トップ下、ボランチ、左サイドハーフ(システムは1-3-5-2)で出場。前半開始直後にコーナーキックに対するクリアが小さくなったところからこぼれたボールを決められ0-1。ここから楢葉中学校の組み立てから素晴らしい攻撃が始まる。くさびのパス→トップ下がサポートに入る→トップがトップ下の選手に落とす、そしてプルアウェイしたこの選手にスルーパス。ほぼワンタッチに近いリズムのパス回しから突破を図り決定的なチャンスを演出した。ベンチで見ていた我々スタッフもわくわくするようなゲームが展開され、午前中のトレーニングを終えて応援に駆け付けた中2~高1選手も我を忘れて保護者のように温かい声援を送る者もいた。試合後に感想をきくと、「アカデミーで普段行っているパスを回し、ボールを動かすトレーニングの成果がゲームで出ていて、楢葉中学校の部活動生徒とも息があっていた」とのこと。まさに前半の終り15分くらいは素晴らしいサッカーが展開されていた。楢葉中学校の流れでゲームを進めていて、実際にゴールを奪えるチャンスは2.3回あった。しかしここで得点を奪えなかったのが痛い。前半途中で「シュートぉ!!」とどこかで聞いた声がピッチ上に響き渡ったかと思えば、中3選手が思わず叫んでいたことも付け加えておこう。
 さて、後半になると一試合目と同様に運動量が落ちてしまったためか、JSCに押し込まれる時間帯が続く。何とかボールを保持し主導権を取り戻そうと、懸命にアクションを起こすのだが、単発で終わり連動しない。相手のシュートミスに助けられ失点は1に抑えたのだが、前半のようなゲームが展開できず、0-2で敗戦。
 楢葉中学校部活動生徒とアカデミー生で挑んだ楢葉中学校の「JFA プレミアカップ2008 相双地区予選」は2ゲームで終わった。顧問の先生の、「これで今回のチームが解散してしまうことはとても惜しい。もっとトレーニングをしたら良いチームになる。」というコメントの通り、今日のゲームを含め3回の活動でここまでチームとして機能したことは驚きであった。これはチーム練習の賜物というより、普段互いの活動で目指しているサッカーが同じであるがゆえであろう。アカデミーの選手にとっては男子チームの中でプレーできた経験はとても大きい。と同時に、全国にはこのように男子チームに入っても遜色なくプレーできる女子選手はまだまだいるはずである。そんな選手たちが、今回のアカデミー生のように3種の大会に参加し大きな経験を得ることができることを女子サッカー関係者としては切に願うばかりである。
 
コーチ:坂尾美穂
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2008年01月25日

一面真っ白です

 先週の相双リーグに続いてまたしても雪中のなかでのサッカーとなった。トレーニング直前までは青空が見えていたはずなのに、トレーニング開始と同時に一気に降り始める雪。あっというまに楢葉のピッチは真っ白になった。しかもこの雪。楢葉町周辺だけに局所的に降った様子。
 「この中に雨女じゃなくて雪女でもいるんじゃないの?」という言葉に、富山出身の選手がうれしそうに「ハイ!ハイ!」と反応していた。さすがに雪が降ると雪国出身の血が騒ぎ、テンションがあがるのだろうか。
 さて、肝心なトレーニングはというと、選手たちは先週経験していたことも手伝ってか、ピッチコンディションに注意を払ってプレーする以外は、意に介する様子もなくプレーしていた。なんともたくましい。
 トレーニング後に選手たちに感想を聞くと、相双リーグの時に比べ寒さを感じなかったようである。足がかじかむこともなく、逆に体はぽかぽかと温かく、寒いどころか逆に汗が流れるくらいだったとのこと。気温のおかげなのか、選手たちのたくましさのなせる業か、それともトレーニングへの専心度の高さからか。
 きっと後者であることだろう。
 
コーチ:坂尾美穂

2008年01月19日

トレーニングマッチ:vs楢葉中学校、富岡第二中学校

 本日は楢葉中学校と富岡第二中学校とトレーニングマッチを行った。いつものトレーニングマッチと違うところは5名の中1選手が楢葉中学校の選手として男子部活生徒とともに出場したこと。その理由は、来週末に開催される『JFAプレミアカップ2008 福島県大会相双地区大会』に楢葉中学校の選手として出場するため、楢葉中学校はその準備として今回のトレーニングマッチを予定したからである。
 現在、JFAプレミアカップの参加資格の中に、「中学校体育連盟加盟チームは、その中学校に在籍し、かつ、(財)日本サッカー協会の女子加盟チーム選手を、移籍手続を行うことなく、本大会に参加させることができる。ただし、登録している女子加盟チームが本大会に参加している場合を除く。」という文章が記載されている。要するに女子のクラブチームに所属する中学生女子選手は在籍する中学校に限り、登録に関係なくその学校のチームが参加する大会に出場できるということである。これは、現在日本女子サッカー界が抱える課題のひとつである中学生年代の女子選手のプレー環境(大会参加、トレーニング環境)に対するひとつの措置であり、この年代の女子選手が同年代の選手とゲームをする機会を増やすことも目的のひとつである。ちなみに同様の女子選手への参加資格は、高円宮杯全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会、全国中学校体育大会/全国中学校サッカー大会でも適用されている。
 さて、こういった背景があり、今回5名の中1選手が楢葉中学校の選手としてプレミアカップ予選に参加することになったのだが、今回が2回目のトレーニングである。前回はお互いの顔合わせという感じのトレーニングであったが、今回は11vs11を通して意思疎通を図ることが目的だろうか。お互いに声を掛け合い、チーム全体で相手の攻撃を食い止め、ボールをつなぎゴールへ向かおうとする姿勢が印象的だった。男女に関係なく同じルールの下で展開されるサッカーは特にこの年代までは男女のフィジカル的な差はさほど大きくはなく、また、フィジカル差がある選手でもスピード・パワーが勝る相手に対抗する術を身につけるには格好の機会である。
 今回はいつもの対戦相手が男子という状況ではなく、男女混成チームでのゲームを経験した。大人の側は男女の選手が遠慮したりコミュニケーションがとれなかったりといったことを心配するのだが、それほど問題はなく、サッカーをする時間を共有することによってコミュニケーションの部分はすぐに改善されていった。彼女たち、そして彼らは性別に関係なく、サッカーが「いつでも・どこでも・誰とでも」楽しめるスポーツであることを証明してくれた。自分たちの目標とするプレーをひたすらに追求しプレーすること、そしてその方法でゴールを目指すという目的を共有することもチームとして機能したひとつの要因だったかもしれない。
 最後に、対するアカデミーの選手たちは中2~高校生まで。後輩選手に負けるわけにはいかないとばかりに、キックオフ直後から猛攻を仕掛ける。ボールが相手チームに渡ったらすぐさまハイプレッシャーをかける。決して言葉には出さなかったが「負けられない」という意地がお互いにあったのではないかと感じられたことを付け加えておきます。
*下の写真はボールを追いかけあい、奪い合うアカデミーの選手たちの様子である。(エンジのユニフォームを着ている選手が中1選手たち)
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2008年01月13日

鳥小屋

 昨日の雪も解け、朝からの風も止み、一日遅れの鳥小屋に参加させていただきました。
 
 鳥小屋とは、竹や藁で作られた小屋に地区の人々が正月飾りを持ち寄り小屋とともに燃やす、この地方で古くから行われている正月行事です。鳥小屋を燃やした火で焼いたお餅を食べると、一年間、病気にかからないといわれているそうです。焼きたてのお餅をいくつもいただき、この食欲があるならば一年を元気に過ごせるだろうと安心させられる子どもたちがいます。
 
 楢葉町の静かな夜に、鳥小屋の火や竹のパチパチと燃える音が天高く昇りました。
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総務兼選手管理 堤 葉子

2008年01月12日

相双リーグ:vsJヴィレッジSC、石神中学校

 相双リーグ最終節。対戦相手はJヴィレッジSCと石神中学校。今年最初の公式戦となったこのゲーム、全選手を2チームに分けて臨んだ。
 一試合目のウォーミングアップからみぞれ混じりの雪が降り始め、すぐにグラウンド一面が真っ白に。そして雪は降りやむ気配を全く見せず、勢いよく人工芝のグラウンドに落ち続ける。
 今日のゲームは2試合ともそんな天候の中でのゲームとなった。
 この天候が選手たちのプレーに最も影響した部分と言えば、ピッチコンディションである。雨でぬれたピッチとはまったく違う意味で、ピッチもボールもかなりスリッピーな状況は、ポゼッションしボールを動かしながら攻撃を組立てる選手たちにとってはとてもプレーしにくいコンディションであった。パスを受ける前に周りの状況を観ずに意図なく足元にコントロールして、コントロール後にドリブルでボールを動かしたり、パスを出したりするためにボールを持ちだす動作は一気にDFに囲まれボールを失う大きな原因となってしまう。相手DFのアプローチの速さもあるが、グラウンドコンディションが良くない・ボールが滑りドリブルしにくい状況では意図のないタッチが増えれば増えるほどボールを動かすことに時間がかかり不利な状況になった。その反面、このコンディションの下、ワンタッチで自分の意図したところにボールをコントロールすることは大変難しい。高い技術が要求された。
 また、スピード・パワーが勝る男子中学生とのゲームは、ただでさえDFの対応に細心の注意をはらい、急なスピードアップや切り返しに対応すべく神経を集中して対応する必要があるのだが、ポイントの間に雪が挟まり、スパイク自体が滑りやすくなっている状況ではいつも以上に1vs1の対応に苦労していた。こういった状況ではなおさらカバーリングの意識、カバーリングポジションが大切になる。1vs1の状況を作らずに守ることができるように、チーム全体での攻守の切り替えが大切だった。
 本日はそんな状況下でのゲームだった。雨や風の中でのゲームはすでに経験済みであったが、雪の中でのゲームは初めてであった。そんな中で要求されたプレーは振り返ってみると、普段のアカデミーのトレーニングで求められていることと変わりない。その質が高い選手はスリッピーなコンディションの中でもさほど影響を受けずにプレーできていたように感じる。
 やはり基本の質の向上を目指して繰り返して行くことが重要なことだと感じた今年初の公式戦であった。
 
コーチ:坂尾美穂

2008年01月08日

2008年スタート

 冬休みの休暇から選手たちが元気に戻ってきた。
 高校生は中学生より一足さきに7日から登校だったため、昨日トレーニングがスタートしているが、選手28人全員そろってのトレーニングは本日が最初。簡単なウォーミングアップを行った後、4チームに分かれての総当たり2回戦のゲームを実施した。
 オフ中に体を動かしていたと言っても、大勢が集まってサッカーをする機会があまりなかった選手がほとんどである。久しぶりに大人数でのゲームを行い、ゲームをすることの楽しさを味わっているようであった。
 さて、今回のオフは年末年始だったこともあり、ほとんどの選手が実家や親類の家でゆっくり過ごしたことだろう。しかし、年末年始にはスポーツのビッグイベントが開催されている。天皇杯、箱根駅伝、全国高校サッカー選手権大会などなど。テレビ画面を通して、あるいは実際に足を運びアスリートたちの迫力ある戦いを目にした選手も多かったようである。
 女子サッカーの世界も同様で、元旦には女子版天皇杯とも言われる全日本女子サッカー選手権大会の決勝が国立競技場で、そしてユース年代最高峰の大会である全日本女子ユース(U-18)サッカー選手権大会が3日から兵庫県で開催されていた。関西が地元の選手はこのU-18全国大会を観に来ていた。同年代の選手たちが繰り広げる全国大会を目の当たりにして、今年は自分も…と新たな目標を再確認したのだろうか。また、兵庫県出身の選手が大会運営のお手伝いをしていた。一日だけの手伝いであったが、地元に帰った際に、これまでお世話になった指導者の方に何らかの形でお返しをするということはとても大切である。主に大会本部でお手伝いをしていたが、会うたびに必ずといっていいほど何回も「コーヒーはいかがですか?」と気遣ってくれるその姿は、勧め上手というか、与えられた仕事に忠実というか、なんとも真面目な性格が垣間見えた。かなり冷え込む気候での一杯の温かいコーヒーはとてもありがたいのだが…。
 
コーチ:坂尾美穂

2008年01月01日

新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。
 JFAアカデミーが立ち上がって 2年目が過ぎようとしています。
 最初の1年目から、新しいものに挑戦し、作り上げていくというステップは継続しています。しかし、必ずしも、簡単に進んでいくものではありません。中学2年生年代の難しさ。子ども達の健全な心身の発育発達から考えると当然のことかもしれませんが、男女ともどもいろいろな問題があったのも事実です。しかし、このような問題を一つ一つ越えていくことがこのJFAアカデミーの将来の成功につながっていくと信じています。スタッフ一同、全力でさまざまな問題に取り組んでまいります。
 そして、2年目に入り、JFAアカデミーの中だけの問題ではなく、アカデミーで行っていることを外へ発信するという役割が大きく躍進しました。中学1年、2年生年代の指導というのは、従来どうしても中学3年と同じ内容で考えられていました。また、そうでない場合は、球拾いや、体力アップということを目的としたボールを使わない練習が多かったところもあります。ここでは、JFAアカデミーで掲げているこの年代の3つの要素、1)技術を定着させる、2)持久力のアップ、3)判断力へのアプローチ、これらを徹底して行ってきました。そしてそれを全国の指導者に広げることによって、日本全体のレベルアップにつなげたいと考えています。JFAアカデミーは、この中だけで完結し、そしてここにいる子ども達だけを成長させる目的で始めたのではありません。ここで理想となる指導を展開し、そしてそれを日本中に広めることで日本全体のレベルアップを図っていきたいと考えています。その最初のステップがこの2年目に軌道に乗り始めました。今後もよりしっかりと発信していきたいと考えています。
 さて、2008年は、女子は全学年がそろいます。男子も中学3学年がそろい、JFAアカデミーの次の段階に進む重要な年となります。女子ははじめての進路指導を行う必要が出てきており、それぞれの希望に合った進路指導をしていくつもりです。男子は高校1年生を一つの区切りと考えていますが、中学・高校をつなぐ大事な時期となり、これも中1・中2の新たな指導と同じように、日本サッカー界に発信することを始めていきたいと考えています。選手はもちろん、コーチングスタッフのみならず、厨房の方、洗濯をしてくださる方をはじめとする全てのスタッフと、このJFAアカデミーの成功に向けて今年もがんばっていきたいと考えています。またご指導いただけるよう、お願いいたします。
 皆さんのご健康とご活躍を心からお祈りいたします。
 
2008年度、新たなスタートに向けて
 
JFAアカデミースクールマスター   田嶋 幸三

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