JFAアカデミー福島

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2006年11月29日

定期テスト

 先週(22日、24日)中学校で定期テストが行なわれた。テスト前々日の20日とテスト中日の23日のオフに(23日はマナーセミナーのみ有り)寮内で勉強に励む生徒たち。既に定期テストが終わっている高校生達はマイペースに自分の学習を進めるが、中学生は学習時間以外も机に向かい、必死にテスト対策の勉強を行なっていた。今週に入りテストが続々と返ってきている。「前回より上がった」「前回より点数は下がったけど平均点も下がっている」「満点とりました」などと各々感想を添えてスタッフルームに結果を持ってくる生徒達。テストの時だけの学習では本当の学力は身につかない。サッカーと同じで毎日の積み重ねが自分の知識を増やすのである。テストが終わったからと学習時間に集中して臨めないという状況は許されない。「これくらい、いいかな」という感情を自分でコントロールして「やるべきこと」を怠らないメンタリティ、気持ちの切り替えが今試されている。

2006年11月26日

福島県リーグ

 先週と今週の日曜日、高校生選手は相双地区の女子チームであるエステレーラ相馬の一員として福島県女子サッカーリーグに参加した。対戦相手は花かつみLFC、富岡高校(19日)、FC.BLOOM(26日)。アカデミー生達が一緒に出場した選手のほとんどは中学生である。アカデミーの高校生選手はピッチ上でリーダーシップを発揮できたであろうか。また、初めて顔を合わせる選手とコミュニケーションをとり、いつもどおりのプレーが発揮できたであろうか。状況を観て能動的にボールを運ぶ中でゴールを奪う。このことをいつでも誰とでも、初めて会う選手であっても意識して実践することで観ている人たちにも、今回一緒にプレーした選手たちにも伝えることができるはずである。実際にエステレーラ相馬の選手たちは19日と26日で変化したようである。地域の女子選手と交流を深めるひとつの試みとして今後につなげていきたい。

2006年11月25日

相双リーグ 2

 本日の対戦は原町第一中学校と向陽中学校。
 試合前に、守備時はボールに必ず一人アプローチすること、ボールを奪わなければ攻撃は始まらない攻撃するためにボールを奪いに行くこと、抜かれることを怖がらずにチャレンジし奪いに行くことを確認した。攻撃に関しては、必ず選択肢を複数持っておくこと、それによって相手の状況、変化を観て判断を変えられる、選択肢の優先順位はゴールの方向、すなわち前であること、また楔のパスや突破を可能にするために広がること、そのために横パス、サポートが必要になることを確認した。そして、ゲームに臨むにあたり、得点を奪うことを目指すこと、勝利を目指すことを確認して入った。
 今日のグラウンドは広野サッカー場であった。人工芝のピッチではボールが走り、コントロールも苦もなくできる。自ずと顔が上がり、リズムよくボールが動く。先週に比べ目指すサッカーができたとも言えるが、アジアでの戦いでも頻繁にあるようにピッチ状態の悪いゲームでもパーフェクトにボールを扱えるようにならなければならない。土のグラウンドでのトレーニングの必要性も改めて感じられた瞬間であった。
 さて、話を選手たちのパフォーマンスに戻すと、ゲームの8割以上は支配していた。そして前回と違うところは、スペースに出る動き、相手の背後をタイミングよくつく動き、そして縦パスがタイミングよく入るようになった。ゴールを脅かすシーンも見られ、待望の得点はポゼッションしながらギャップができたところをFWがタイミングよく飛び出し、決めたものであった。
 奪われた点のほとんどはCKやカウンターである。CKでは明らかにマークの徹底を欠いてしまいフリーで決められてしまう。勝負どころで失点しないためにはこの辺りは徹底しなければならない。また、カウンターに関してはリスクマネジメントができておらず、不利な状況から1vs1の対応をしなければならなくなってしまう。守備に関してはボールに行くことを徹底しトライ&エラーを繰り返す中で個の対応を身につけている段階なので、組織的なことはトレーニングしていない。従ってこういった失点の仕方は致し方ないことかもしれないが、同じ形で何度もやられてしまう(この形で3失点)ことに関しては、考えてどうしたらよいのかといった方策を導き出してほしいとも感じた。

2006年11月24日

好きだという気持ちとやるという覚悟

 練習の準備を整え、Jヴィレッジの部屋で少し緊張した様子で待つ選手たち。本日は日本代表のオシム監督にレクチャーしていただいた。最初に自分は学校の先生ではないので皆さんの話を聞きたいと質問形式のレクチャーにしよう、質問には何でも答える、質問がなければ終わりましょうと投げかけられた選手たちは一瞬戸惑ったような、凍りついたような表情になった。
 オシム監督が得たたくさんの経験からアカデミーの選手たちにとって必要だと思うことを察して話すのではなく、選手たち自身が知りたいと思うことについてダイレクトに質問するという方法は選手たちにとっては最も良い手段かもしれない。しかしフランクな会話の中ではなく、皆か聞いている中で手を挙げて質問するにはそれなりの勇気がいる。オシム監督の冒頭の言葉のあと沈黙が続いた。
 一人の選手が意を決したのか、質問したいことの整理がついたのか手を挙げて質問した。それを皮切りに5、6人の選手が質問したことについて、時には「あなたはその質問に対してどう思うの?」と逆に選手自身に考えさせながら答えていく。それはまさに育成年代の選手に対する教育的要素を多く含んだものであった。
最後に、30分を越す話の中から一つ紹介しよう。
 ある選手が「サッカー選手にとって大切なことは何ですか?」という質問をした。オシム監督は逆に「あなたは何だと思う?」とその選手に質問を返す。質問した選手は答えが見つからないのか、大切なものがたくさんありすぎて1つの答えを出せないのか、一気に固まってしまった。しばらくの沈黙の後、「簡単に答えられないほどたくさんの大切なことがある」と諭すように話し始めるオシム監督。サッカーのことについてはコーチに聞けばよい、ただ…、と前置きして「サッカーを好きだという気持ちはとても大切だ」と答える。そして以下のように続けた。「しかし、みなさんがもう少し上の年代になるとサッカーで苦しいこともでてくる。そのことを今の年代で知っておいたほうが良いし、それでも高いレベルのサッカーを目指すのかどうか、目指すのであれば苦しいことも行なうという覚悟を今の年代で決めておいたほうがよい」といった内容の話があった。
 サッカーが好きでたまらないという気持ちとともに、このアカデミーに何のために来たのか、この先の目標に対しての心構えについてのメッセージが含まれているようであった。
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2006年11月23日

マナーセミナー7

 本日のマナーセミナーは立食パーティーでのマナー。Jヴィレッジのパシフィックホールを借りて行なった。挨拶のときに握手ができるようにと右手を開けておくためのコップやお皿、フォークの持ち方などを教わり、最後には全員が1分間スピーチで自己紹介をおこなった。また、パーティーでのマナーということで、前回の洋食のテーブルマナーは学校の制服でおこなったが、今回は10月末に出来上がったアカデミーの制服を着用して参加。全員がそろっての着用は今回が初めてだったが、選手たちの評判はとてもよく、プログラム前にお互いに写真を取り合っているほどであった。
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2006年11月18日

相双リーグ 1

 相双地区の中体連の先生方のご理解とご好意で今日から始まる相双中学校サッカーリーグに中学生でチーム編成をし、参加させていただくことになった。中学校の男子チームとの対戦である。選手たちにとっては体格・スピード・パワーが勝る相手との試合である。しかし、世界を意識したときにはフィジカルの要素では自分達より高い相手との対戦がほとんどである。将来、そういったチーム・選手に勝てる能力を身につけるためにはこのリーグ戦はとても貴重なものとなるだろう。
 本日の対戦はJヴィレッジSCと中村第一中学校。
JヴィレッジSCとの試合では、開始直後から相手の攻撃に対する対応ができず、1vs1で簡単に抜かれ、カバーに行った選手も相手のスピード・テクニックについていけない。オフザボールの守備も悪く、抜かれてしまうことに対する恐怖心からかボールへのチャレンジも弱くなり守備が後手に回ってしまう悪循環が続いてしまった。攻撃に関してはボールを保持して主導権を握った試合展開に持ち込もうとするのだが、守備の問題から意図的にボールを奪った状況からの攻撃が少ないために、主導権が握れない。また、ボールを受ける前の準備・判断が悪く、パスコースが1つしか見えていないために相手が準備したところにボールを運び奪われてしまう。ポゼッションしているように見えて実はボールを持たされている、誘い込まれている状況が目立った。慣れない土のグラウンドということも手伝ったのか、パスが走らず、コントロールも乱れてしまう。コントロールに時間がかかる、もしくは顔が上がらない状態であれば、受け手のアクションも遅くなる。ポゼッションし主導権を握った戦いの中でゴールへのスキを創る・狙うということが全くできない試合であった。
 二試合目の中村第一中学校との試合。守備の面では相手のスピード・パワー・テクニックに怖がってチャレンジしなければ失敗も成功も起こらない。それでは守備の力などつかない。怖がらずにボールにチャレンジする、あきらめないで対応することを確認して試合に入った。攻撃に関して言えば1試合目の問題点は残ってしまったが、それでもボールを保持する時間帯は増えた。しかし、パスの選択肢が少ない、受け手のアクション、連動(ボールに関わる選手の数)が少ないために、相手がボールの奪いどころを限定できてしまう。ボールを保持することを意識しすぎるのか、横パスだけのボールの動きになってしまうのである。ゴールを奪うために主導権をもってボールを動かすためにポゼッションをするのだが、観えていないことも手伝って楔のパスや突破のパスが入らない。アクションが少ないために相手の守備も動かずスペースが生まれない。後半の終わりになってやっと改善の兆しが見えたが時既に遅く、1点も奪えないまま試合終了となってしまった。
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2006年11月16日

中間テスト

 昨日まで高校生はトレーニングがオフであった。その理由は、学校の中間テスト中であったためである。午前中にテストを終えた選手達は寮に戻ってまずにトレーニングジャージに着替える。試験勉強のため、全体でのトレーニングはオフとしているのだが、それぞれが自分のコンディション維持を考え、ランニングにいったり、寮内で筋力トレーニングを行ったりしている。そしてそれが終わると寮内の自分の部屋や学習部屋で学習を始める。学校から帰ってくる13時過ぎから次の日の試験までの時間で、どのように過ごすかはそれぞれに任せられている。サッカー選手としてのコンディション維持と高校生としての学業、「今やるべきことは何なのか」そしてそれを「どのように行うのか」を自分で考え判断し実行に移している。何事にも真摯に取り組む姿勢が向上につながる。前回のテストの結果は全員が向上していたようである。さて、今回はどうであろうか。

2006年11月10日

原田コーチトレーニング

 昨日と本日は男子のアシスタントコーチである原田コーチのトレーニングであった。
以下、原田コーチのコメントである。
 
【原田コーチのコメント】
 サッカー選手としての第一印象としては、動きの無いプレーが多いと言うこと。つまり、ボールを蹴る時、コントロールする時、受ける時、その殆どが止まって行われている場面が多かった。それゆえボールも止まってしまう傾向にあり、守備側にプレッシャーを受けていた。攻守の切り替えが多く、守備側が工夫をしなくては奪えない局面が少なく、攻守共に少ない時間での移り変わりに終始していた。
 故に、行ったトレーニングの中で「動きながらプレー」することを2日間通して要求し続けた。これに関しては常日頃から言われていることでもあり、選手の理解度は高くスムーズにプレーに表れたと言える。選手自身も動きながらプレーする部分のメリットを理解しているようであった。ただ、動きながらプレーすると言うことは、それだけ体力の消耗も激しい。トレーニングの中盤にもなるとミスが目立つようになった。まだ動くことと、プレーの質を落とさないということの両立は難しいようだ。
 私自身女子選手のトレーニングを行うことは初めてであった。もちろん男子に比べるとスピードもパワーも劣る。しかし、個人的な感想ではあるが、しなやかさは男子選手よりも優れていると感じた。なでしこジャパンを初めて見た時も同じ印象を持った記憶がある。再び機会があるならば、女子選手の特徴を生かすことも考慮に入れてトレーニングを行ってみたいと思う。
 
JFAアカデミー福島 男子コーチ
原田貴志

2006年11月09日

JFAプログラム:ベルリッツ英会話 1

g061109.JPG言葉はコミュニケーションのツールとしてとても大きな役割を果たしている。相手がどんな人なのか、何が好きで、どんなところで育ち、何を夢見て暮らしているのかを知ること、サッカーに置き換えればどんな特徴を持ったプレーヤーなのか、得意なポジションやプレー、所属チーム、目標など、オンザピッチでもオフザピッチでも仲間を知ることが大切であることは皆が理解していることである。また、自分という人間を相手に知ってもらうことも同様に大切である。
 サッカーにおいても一般社会においても、国という枠が以前に比べ格段になくなってきている現在において、日本語以外の言語コミュニケーションツールを身につけておくことが選手たちの将来の幅を広げることにつながる。もっと言えば日本ならず海外で活躍できる人間になるには必須アイテムである。
 本日から英会話プログラムが始まった。学年を加味したグループ分けで3つに分かれて受講した選手たちの評判はとてもよく、楽しそうにそして身につけようという意志をもって取り組んでいたようだった。

2006年11月05日

トレーニングマッチ:vs東向陽台中学校

g061105.JPG 宮城県の東向陽台中学校と20分×3本のトレーニングマッチを行なった。中学校のグラウンドでの試合である。土のグラウンドでのゲームは人工芝のグラウンドとは違い、ボールのイレギュラーバウンドが頻発する。こういった状況では正確にボールをコントロールするテクニックが必要である。特にファーストタッチの精度はごまかすことができないものである。正確なテクニックが身についていないと、ファーストタッチで次のプレーをイメージしたところへボールを置くことができず、ボールを収めるためにタッチ数が増え、そうするとおのずと次のプレーまでに時間がかかる。そうすると相手のDFの体制も整い、ルックアップにも時間がかかるため、味方選手もボールを受けるタイミングを図りづらくなる。
 昨日の疲れが残っていることも影響したのか、ボールを受けるアクションもなく、ボールが効果的に動かない。そしてパスミスやコントロールミス、判断ミスが重なりボールを失ってしまう悪循環が続いた。
 先週から負けを経験する試合が続いている。選手たちは何ができて、何ができていないのかを考え続けている。昨日のミーティングではトレーニングによって変えられるものと変えられないものについて話があった。変えられるものに対して意識を高く持って根気強くトレーニングに取り組むことが大事である。

2006年11月04日

全日本女子サッカー選手権大会東北予選

g061104.JPG宮城県利府町で開催された同大会。アカデミーは1回戦で常盤木学園高等学校と対戦した。先週に続きU-18年代の強豪チームとの対戦となった。今回は高1の選手5名を加えた23名のアカデミー生全員が大会登録された。
 試合開始と同時に相手のスピード、パワーに圧倒される。スピードのあるサイド攻撃と中盤での正確なパス回しに選手たちはついていけない。1vs1の戦いで突破され、カバーリングに回ったところで空いたスペースにボールを運ばれそこからさらに突破される。オフザボールのときのマークの確認を明確にし、1stDFの決定、チャレンジ&カバーを徹底しなければ危ないスペースでフリーの選手が生まれてしまう。それでも時間の経過とともに少しずつ慣れてきた部分もある。しかし守備の部分では総合的にみれば経験の差が顕著にでた。
 さて、攻撃に関しては、ボールを失わず動かしながらゴールを目指すという、この年代で身につけておくべき要素に対してただひたすらにチャレンジした。観て判断する、ボールを動かすためのパスの精度、パススピード、ファーストタッチといった技術を動きながら行うテクニック、そして動き出しのタイミングを意識しボールを動かすためにボールにかかわりアクションを起こす、相手から離れてボールを受け一時的にフリーな状況を造りだすためにボールに寄る動き。これらのことを失点しようとも、ボールを失おうとも、ゴールを奪うためにやり続けた。前半を戦った時点で先週に比べ明らかに変化が見られた。後半には短いながらも自分たちの時間帯を作ることもできた。しかし、テクニックが完璧に身についていないまだまだ発展途上の選手たちは、自分たちのミスでボールを失ってしまう。全員がボールに関わり、攻撃にかかっていた分そのミスが失点につながる。スピード・パワーに勝る相手の攻撃は我々にとってはすぐにピンチとなり、それが失点につながってしまった。
ただし、大事なことは、やろうとしていることをやり続けることにより、1試合という短時間でも明らかに変化していったことである。厳しいプレッシャーをかけてくる相手に対してもやり続けることによって試合の中で確実に変化していった。明確なコンセプトを持ち、苦しい状態のときでもやり続けることの価値を先週、今週の試合を通して選手たちは表現し、そして己の肌で感じてくれただろう。
 今回の敗戦を経験し福島に戻ったあと、やるべきことへの意識がさらに高まった状態でのトレーニングが楽しみである。

2006年11月03日

ゆずり葉祭

 本日は中学校でゆずり葉祭が行なわれた。まず学習発表が行なわれ、その後アトラクション(有志生徒による発表)が発表された。有志生徒による発表ということで、アカデミーの生徒達は全員でグループを結成し、テレビ番組でおなじみのチアダンスであるペコリ☆ナイトを踊った。本番前の練習はまさにサッカーのトレーニングと同様に真剣そのものである。寮前の庭で夕食後にご近所に迷惑にならないよう無言で踊りの練習をしていた生徒達。本番を終えた感想を聞くと、口々に感動した、楽しかった、という言葉が返ってきた。生徒の中には他のグループのアトラクションに飛び入りで参加した者もいたようで、楢葉中学校での楽しい思い出がまた一つ増えたようである。
 午後にはクラス単位での合唱コンクールも行なわれ、クラスの一員として懸命に歌う表情を披露してくれ、スタッフにとっても学校での生活が垣間見られた一日であった。

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