JFAアカデミー福島

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2008年02月29日

フロリダキャンプ6:Training & Match

 今回のキャンプでアクティビティ(サッカーのトレーニング・ゲーム以外の活動全般を指す)の調整・手配、現地の方とのコミュニケーションのサポートや食事の手配など活動のあらゆる部分で温かく支援してくださっているフーさん、ブライアンさん、タカマサさん、大島さんからおもしろい話を耳にした。どうやらFSU内でアカデミーの選手たちが噂になっているらしい。よく「あの青い集団は何だ?」と質問されるとのこと。毎日どこからともなく青い集団が現れ、そしてどこかへ帰っていく。FSUの関係者だけでなく、選手が毎日グラウンドへ移動する際に通る道路沿いの住民もこの謎の集団に興味を持っているらしい。また、フーさんやブライアンさん曰く、選手たちの評判がすこぶる良いらしい。その理由はいつもニコニコと笑顔で元気よく、そしていつも挨拶をするから、とのこと。確かに選手たちを観ていると、つたない英語ではあるが、現地の方とコミュニケーションをとることを楽しく感じているらしく、目があったら英語で「Hello!」と挨拶しながら、少しの会話を楽しんでいる様子が伺える。また、現地の方たちは初対面でも目が合えばあちらから声をかけてくれる。そして少しの時間だが会話をする。「どこから来たの?」、「何かスポーツをしているの?」という質問がほとんどだが、選手たちにとっては貴重な英語でのコミュニケーションの実践である。そして自分の伝えたいことが英語で通じたときの喜び・小さな成功体験を得ることができる場である。
 さて、この笑顔で、元気に、そしていつも・自分から挨拶ができるということはとても大切なこと。選手たちが海外の地で実践できていることは大変嬉しいことである。これが日本に帰っても、日常生活の場でも、いつでも、どこでも、誰とでも積極的にできるように、そして大人になってもいつまででもできるように期待する気持ちでいっぱいである。
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 本日のスケジュールは午前中に軽めのトレーニングを行ない、午後はReal Salt Lakeというチームとゲームを行なった。
 トレーニングでは、昨日のゲームで抽出された課題の修正を約1時間実施。
 
①組み立てからスピードアップのタイミングを創る、そして共有する
②選択肢をもつ、そして増やす
 ・シュート or パスの選択肢
 ・ドリブル or パスの選択肢
③フィニッシュの精度
 
 この3つをテーマに実施した。もちろんアカデミーで常に追求している主導権を握った戦いをするために、①には組み立てのところでボールを失わないこと(ボールを保持し続けること)の質を上げることも含まれる。
 2日連続の試合ということもあり、トレーニングは短時間で終わったが、テーマを理解して試合に向かう良い準備ができた。
 トレーニングの最後には、昨年に続き今年もアカデミーの選手たちを温かく迎え、そしてサポートしてくれた山口麻美選手がなでしこジャパンのキプロス遠征に出発する前に選手たちに激励に訪れてくれた。選手たちにとっては単身アメリカにわたり、そして活躍するまでに自らを向上させ、今度はオリンピックを目指す代表の座を手にするべく旅立つ山口選手はとても身近な目標であり、自分の将来を考える上でひとつの道を示してくれる存在であろう。激励のメッセージを聞く選手たちの目はとても輝いていた。
 さて、昼の休憩をはさみ、ゲームは19時にキックオフ。30分を3本行なった。対戦相手のReal Salt Lake(RSL)というチームはもともとユタ州のSalt Lake Cityにあったチームがフロリダに移ってきて、フロリダ州の南タンパにあった3つのクラブチームと合体してできたチーム。17~18歳の選手たちで編成され、スポーツ奨学生で大学進学が決まっている選手も複数いる強豪チームである。
 試合前には上記の3つに加え、攻撃から守備の切り替え(スピード・パワーに勝る相手にスピードアップさせないように切り替えを早くして1人は必ずボールプレッシャーに行くこと)についても確認し試合に臨んだ。結果は4-0、0-0、0-0。昨日に比べ、前に急ぎすぎて、前5人、後ろ5人の2ラインになるようなことはなかった。正しいタイミングでの動き出し、トップの選手の有効なダイアゴナルランからスペースへスピードアップしゴールを脅かす。また日本のストロングポイントであるテクニックとアジリティの高さを発揮して足の長い相手のプレッシャーをかわしゴールを目指した。
 反面、まだまだ単純なテクニックの部分(不用意なパスミス)、GKとDFのビルドアップ時の優先順位と相手の状況を理解した判断・コミュニケーション(こちらの選手はGKを含めバックパスをすると予測すると必ずといっていいほど猛スピードでプレッシャーをかけてくる)、周りの選手が複数の選択肢を創ったときのボール保持者の判断・そのための観る力には課題が残る場面があった。また、2本目・3本目には組み立ての部分でボールを動かすことができなくなる場面、その結果スペースへの有効なスピードアップの状況・タイミングが作り出せない場面が増えた。
 これらのことは、これで完成ということはなく、「質を上げること」で向上し続けるものである。このキャンプではあと3試合、アメリカというひとつの世界と戦うチャンスが残されている。ゲームを繰り返し実施することでさらなる向上にチャレンジしたい。
 
コーチ:坂尾美穂
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2008年02月28日

フロリダキャンプ5 

 キャンプ四日目。昨日に引き続き2月のタラハシーは寒暖の差が激しく朝と夜は随分と冷え込んでいる。今年は例年にない冷え込みでとてもフロリダとは思えない気候が続いている。しかし、日中は少し風が冷たいものの本当に気持ちがよく、晴れ渡るタラハシーの青い空にはいくつもの飛行機雲が描かれている。
 本日はまず10:00からトレーニングが行なわれた。ここでは今晩行われるゲームへ向けてのコンディション調整とセットプレーの確認が行われた。セットプレーに関しては普段そんなに多く時間を割いているものではないのではじめはとまどいを見せていたが徐々に共通理解を図っていった。そして昼食はOsceola Villageから歩いて15分ほどのところにある学生食堂Fresh Foodで摂ることにした。ここではアメリカンフードのみならず多国籍の料理を各コーナーでオーダーしてチョイスすることができる。店内の雰囲気はおしゃれなカフェテリアのようで、食べる楽しみのみならず、選ぶ楽しみも十分味わっていたようだ。
 そして昼食後は少しゆっくりとし16:30からゲームへ向けてのミーティングが行われた。テーマとしては常に主導権を握るサッカーの追求が掲げられる。そのための要素として以下の3つが挙げられた。
 
・関わる ~全員が攻守において関わり続ける~
・基本の徹底 ~オートマティック~
・プレーの質 ~より多くの選択肢を持つ~

 
 このテーマは、今回のキャンプのみならず今までやってきたことの確認と、今後更に身につけなければいけないことの原理原則である。今泉ヘッドコーチによって模造紙にまとめられた内容を、ミーティング終了後もじっと見つめイメージを膨らますものやノートにメモをとるものなどそれぞれの形で頭の中のフォルダに整理して取り入れていた。
 さて、今日の相手はフロリダ州の16~18歳のクラブチームIMG。30分×3の形式で行なわれた。足が長く腰の位置が高いアメリカンスタイルの選手達は日本の同学年の選手を体格的に大きく上回っていた。中にはU-17アメリカ代表に所属している選手がいるほどであった。
 1本目の開始2分いきなり先制パンチを浴びる。立ち上がりから雑なパスで簡単にボールを失うシーンが続いていた。そして中盤の不用意なパスミスをドリブル突破され豪快にシュートを決められてしまう。1期生は昨年経験したはずであったがあらためてフィジカルコンタクトの強さや一瞬のスキを突かれることを見せつけられてしまう。
 しかし、その後は短いパスでゲームを組み立てていき徐々にアカデミーペースとなり24分に同点に追いつく。ミーティングで確認したオフザボールの選手の選択肢を増やす動きによって生まれたものであった。典型的なカウンターサッカーを相手にはじめはとまどいを見せるもテクニックと判断、次から次へと後の選手が追い越していくモビリティによってゲームを支配する展開は2本目も続いた。そして42分についに逆転ゴールをする。しっかりと組み立てていきゴール前での積極的なしかけから生まれた得点であった。が、終了間際にゴール前で1:1の安易な対応によって同点ゴールを許してしまう。3本目は何度も得点チャンスを作るもフィニッシュの精度に欠け0-0であったが、アメリカの選手を初めて肌で感じる2期生も体格的には小柄だが一回りも二回りも大きい相手に対して果敢に挑んでいた。そして自分達のテクニックや判断力にも手ごたえを感じていたようである。
 アメリカキャンプの初戦は2-2の引き分けという出だしであったが、テクニックや判断の早さ、ポゼッション率で大きくアカデミーが上回るも勝ちきれないというところが世界との差である。状況に応じたゲームの運び方や勝負に対するこだわり、そしてフィニッシュの精度が今後の課題として挙げられた。
 ここから先の日程はゲームが続くのでこの点を踏まえて次のゲームに挑んでほしい。
 
文:小林 忍
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2008年02月27日

フロリダキャンプ4:たくさんの活動

 「外に出ましたか?めっちゃ寒いですよ。」
 毎朝の体重計測が終わって朝食を摂るために1階のロビーに下りていた数人の選手の第一声である。選手たちは体重計測が終わり、朝食に行くまでの間に各々でOsceola Villageの前で体操などをしているのだが、今日は外に出てすぐにロビーに戻ったらしい。今日の朝はまるで初冬の朝のように冷え込んでいた。それは午前のトレーニング中も変わらず、フロリダの暑い陽射しも鳴りを潜めていた。今日のトレーニングはパス&コントロール、ターン、ポゼッション、2vs1、そしてゲーム。当たり前のことだが、日本にいるときと追求するものは変わらない。特に、ボールの移動中に観ること、緩急をつける・急なスピードアップでアクションを起こしボール保持者にメッセージを伝えること、そして選択肢を持つこと・選択肢を持たせる関わりをテーマに行なう。これらのことはごく当たり前のことのようにいつものトレーニングで要求されていることだが、世界と戦う際にはプレーの土台となる基本中の基本。選手たちは明日からのゲームをイメージしながら取組んでいた。
 午後のプログラムはFSUで日本語を専攻して学んでいる学生との交流。FSUの学生が待つ教室に入るとすぐに、「一人ずつ(学生の)間に座ったほうがいいんじゃない?」といいながら、自然に教室の中に散らばっていった。こういった場でコミュニケーションを図るためのオーガナイズを理解してきた様子である。昨年はコミュニケーションをとる際に、なかなか一人では話しかけられなかったようだが、今年は1対1で話している姿が多く見受けられた。日本語と英語を駆使したコミュニケーションは楽しく過ぎていく。
 以下に2名の選手の簡単なコメントを記しておこう。
「相手が英語を話して、私がちょっとわからない顔をしたらわかりやすい簡単な英語で表現してくれた。アメリカ人はフレンドリーな方たちばかりだと思った」
 「外国人が積極的に話しかけてくれたので、私も負けじと質問をすると、話がとても盛り上がった。言葉の通じない人とコミュニケーションをとることに楽しさを感じ、また国境を超えそして国外の友達がたくさんできてとても嬉しかった」
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 交流が終わると、学内を見学し、15時プレーボールのゲームを観戦するためにソフトボール場へ移動。先日はスポーツ施設の見学だったが、今回はスポーツ以外の学生も利用する施設の見学。図書館やFSUの学生なら無料で鑑賞できる映画館など。そして15時からのソフトボールを観戦。試合前には国歌がながれ、会場アナウンスもされ、テレビ放映もあるのか試合は4方向からのテレビカメラで撮影され、そして通路には売店も出ている。こちらでは大学生同士の試合でもこれが当たり前なのだ。選手たちは改めてアメリカにおける大学スポーツの地位の高さを感じたことだろう。
 しかしながら、彼女たちの頭の中の優先順位の最も高いところに位置するのはやはりサッカー。隣のグラウンドで15時半から開始されていたFSUサッカーチームのトレーニングが気になりだしたようで、3回を過ぎたあたりから、少しずつサッカー場に移動しだしていた。色々なスポーツに接してスポーツを文化としてとらえてほしいのだが、興味がわかないとなかなかおもしろく感じられないのも仕方のないことかもしれない。しかし、彼女たちが成長する過程で異文化に触れ、違う競技に触れること、それは今回ではソフトボールのゲームを見るだけでなく球場の雰囲気やソフトボール特有の応援を目にし、耳にすること、肌で感じること、見聞を広めることも大切なのだ。
 さて、明日はゲームが組まれている。今度はピッチの上でアメリカを感じる。
 
コーチ:坂尾美穂
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2008年02月26日

フロリダキャンプ3

 キャンプ二日目。小鳥の囀りで目覚める。Osceola Villageの周りの木々には野生のリスが勢いよく走り回る。なんとも贅沢で爽快な朝を迎えている。
本日は午前中にグループゲームを通じて社会性を育む野外学習活動と午後にフロリダ州立大学(以下FSU)の選手と合同トレーニングの2つのアクティビティが行われた。
 まず、午前中の野外学習活動はいわゆる日本ではASE(Action Socialization Experience)としてアカデミーの選考試験や企業の新人研修等で幅広く活用されているものである。活動はFSU Reservationと呼ばれているこの活動専用の施設で行われ森の中に壮大な湖畔という絶好のロケーションの中で行われた。今回の学習プログラムはリーダーシップの養成とチームワークの向上を図ることを目的とした内容が組まれた。日本でもこのプログラムは何度か経験したことのある彼女達であるが、インストラクターはもちろん英語で説明するわけで、英語を理解する上で課題解決していくというのは当然初めての経験であった。
 ゲームは10種類近く行われ、それぞれのゲームにおいてインストラクターはグループで課題解決に向けてどのようなプランを出し合ったのかを選手から意見を引き出していた。課題解決に至るまでにその目標やゴールに向かってどのようなプランを立てたのか、プラン通りにいかなかった時どのような新しいアイデアを出すことができたか、グループの協調性や結束力はどうだったか、リーダーとなる存在はいたかどうか等々改めて結果に至るまでの過程の重要さを考えさせられていた。そしてこれらの要素は社会において、サッカーにおいて、そして人生において全てに通ずる大切な要素であるというのを再認識したようである。
 湖畔で昼食のカレーライスを食し午後のアクティビティに移った。
 午後はFSUの選手と合同トレーニングが行われた。トレーニングではFSUとアカデミーの選手がペアとなりさまざまなゲームを通じて勝負していくものであった。午前中のアクティビティの効果が早速発揮されていた様子で、お互い積極的にコミュニケーションを図る姿勢と心の底からサッカーを楽しんでいる雰囲気は写真からも十分伺えるであろう。
 トレーニング終了後はFSUの選手との夕食会が行われアカデミーの選手も積極的に英語で会話を盛り上げていた。昨年の経験もあってかまったく物怖じせず積極的に話しかける姿には大きな成長の証がうかがえる。会の終わりには日本から持ってきたお土産をプレゼントしたり、メールアドレスを交換するなど海を越えた新たな仲間ができたようである。
 
文:小林 忍
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2008年02月25日

フロリダキャンプ2 : Training & Tour of Athletic Facilities

 現地時間で午前9時30分。フロリダについて最初のトレーニングを行なうため、昨年に続き今回も宿泊するFSU(Florida State University:フロリダ州立大学)の学生寮であるOsceola Villageを出発した。選手たちは前日の長時間移動につかれた様子も見せず、これから始まるキャンプを待ちわびていたかのように、軽い足取りでグラウンドに向かった。今年も使用するグラウンドはFSUのサッカーグラウンド。Osceola Villageからは歩いて15分ほどのところにある。大学のサッカー場といっても天然芝が張られており、スタンドや電光掲示板も設置されている、公式戦を行なえるグラウンドである。1期生は昨年も同じ施設を使用していたため、グラウンドまでの風景を見ながら昨年の記憶がよみがえったようで、口々にあそこがどうだった、ここで何をした、などと話しながらグラウンドに向かっていた。
 さて、本日のトレーニングは時差調整のためのコンディショニングを目的に軽めのトレーニングを実施した。選手たちが各自でウォーミングアップを行なっていると、FSUの監督であるマーク氏となでしこジャパンのキプロス遠征への召集が発表されたばかりの山口麻美選手、そして今回も現地でサポートしてくださる選手たちが「フーさん」の愛称で慕っているフー・タクミ氏がグラウンドに姿を現した。その姿には気づいているのだが、なかなか一歩が踏み出せない。今泉コーチの言葉でやっと挨拶のためにマーク氏の方へ駆け出した。英会話プログラムやコミュニケーションスキル、マナープログラムで培った力をこういったところで発揮したいのだが、なかなか一歩が踏み出せないでいたようだ。今回のキャンプではFSUの選手や一般の生徒との交流の機会もある。次の機会には自らの一歩で、積極的なコミュニケーションを図ってくれることでしょう。
 話をトレーニングに戻すと、福島の真冬の気温から180度違うフロリダの夏の日差しの中でのトレーニングということに加え、まだ体内時計がフロリダの時間に調節されていないこともあり、トレーニング中に3人の体調不良者が出た。彼女たちは少し休むと症状は治まり、午後のプログラムにも参加できたのだが、これも大きな経験である。時差14時間、昼夜が逆転した状況はなかなか体験できるものではなく、この体験を体で覚えておくことは中々得られる経験ではない。選手たちは出発前の事前学習によって、からだにどのような症状がでて、対処方法にはどんな方法があるのか理解していたので、過敏に反応することもなく、ごく当たり前のように対応していた。
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午後のプログラムはFSU内のスポーツ施設を見学した。サッカーチームが使用しているロッカールームや年に数回、決められたゲームにのみ使用される8万人は収容できるというアメリカンフットボールのスタジアム、そしてFSUに在学しているアスリートたちがトレーニングするというトレーニング室、リハビリ用施設、競技力が優秀で試合などのために大学の講義に出席できない学生のためのサポート施設、一般学生が使用するフィットネスジム・プール・陸上トラックが設置されているビルなど、多くの施設を見学した。
 見学後、ある選手に印象に残った事柄を聞いてみた。
 一つ目は、女子サッカーが大きく取り上げられていることへの驚き。最初に見た施設はサッカー場横にある、女子サッカーとソフトボール専用の建物。その中には選手のロッカールームやスタッフの施設などがあったのだが、女子サッカーチームの活躍を示すトロフィーや写真が飾ってあった。驚くべきは、その扱いが女子サッカーの施設内に限ったものではないということ。アメリカンフットボールのスタジアム正面入り口から入ったところに、歴代の多くの競技の名選手が獲得したトロフィーなどが飾ってあった。またそこは吹き抜けになっており、最上階まで優秀な成績を残した選手の写真や成績を紹介しているのだが、その中にも女子サッカー選手を紹介したものが多数あった。これにはたいへん驚いたようだ。
 二つ目は、トレーニング室に書いてあった言葉。トレーニング室内にはさまざまな単語が選手の目線の先に位置する場所に書かれてあった。最も印象に残った言葉は「PRIDE」だという。そのほかにも「Leadership」「Quality」などたくさんの言葉が記されてあった。トレーニング室のほかにも選手のロッカールームなど、施設のいたるところにアスリートとしての心に投げかけるような言葉や文章が記されていた。こうやってFSUの哲学を脈々と受け継いだアスリートとしての精神を培っているのだろう。
 三つ目は、FSU創立当時に活躍していた選手の功績がそのユニフォームや写真、紹介する文章とともに称えられていたこと。そのほとんどは歴史と伝統を強く感じさせられるものであった。大学に対しての誇りを持つ事と歴史と伝統を知ること、日常的に目にすることで触れることは深く関係しているのだろうと感じられた。
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 施設見学の後、ちょうど15時半から開始したFSUのサッカーチームの練習を見学してOsceola Villageに戻った。1期生は今回が2度目のアメリカ・フロリダ遠征である。昨年、目にし、体と心で触れたものの記憶をよみがえらせるとともに、自分の中で2回目であるがゆえの積み上げがどれほどできるか。2期生は観るもの・触れるものほとんどが初めてである。その中で周りのものに敏感になりチャレンジする一歩を踏み出せるか。本日の朝食の様子を見た限りでは物怖じせず、大人のスタッフに頼るわけでもなく、事も無げに自分の食べたいものをオーダーしていた。明日以降のプログラムでの様子もとても楽しみである。
 
コーチ:坂尾 美穂

2008年02月24日

フロリダキャンプ1

 アメリカ・フロリダキャンプが本日から始まった。フロリダキャンプは昨年に引き続き二度目となる。成田空港からアトランタ経由でタラハシー空港まで行きそこからバスで約20分、計22時間以上の移動を経てキャンプ地となるフロリダ州立大学に到着した。昨年はトランジット時や荷物のピックアップ時のトラブルで大幅に到着が遅れたが今年は何事もなく予定通りに到着した。
 この遠征をサポートしていただく現地の日本人学生スタッフと同大学サッカー部の選手数名がタラハシー空港まで出迎えに来てくれた。スタッフの方々はアカデミーのキャンプが安心かつ安全に成功する様、事前準備やプログラムの構成も含めてキャンプ中のマネージメント等全ての活動においてバックアップしていただける心強い方々である。
 今回のキャンプでは5試合トレーニングマッチが組まれているほか、グループ行動を通じて個のリーダーシップを向上させる野外活動プログラムやさまざまな競技のスポーツ観戦、また、大学の日本語クラスの授業に出席するなど前回以上に内容の濃いアクティビティが計画されている。 FIFAランキング2位の地で積極的にアクションを起こしピッチ内外ともに世界を感じ取ってほしい。キャンプは3月5日まで行われる。
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2008年02月06日

春の訪れ

 選手たちの朝は早い。毎朝6時10分には起床する。
 先月のこの時間は、辺りはまだ暗闇と静寂に包まれていた。
 選手たちは気づいているだろうか。立春が過ぎ、暦の上では春となったこの頃は、自分たちが起きる時間の空が少しずつ明るくなっていることを。朝食を摂っている時間にきれいな朝日が昇っていることを。
 外の空気はまだ冷たく、夕方のトレーニングの時間帯はまだまだ肌を刺すような冷たさを感じるが、少しずつしかし確実に春は近付いてきている。
 
 『冬の寒さの中、自然の木々は次に来る春の準備をしています。春に美しい花を咲かせるために、見えないところで静かに、けれど着実に次の季節の準備を進めているのです。
 その自然の姿に、私は、部活動に励むみなさんの姿を重ねて考えます。
(中略)
 しかし、冬の厳しい練習に耐えてこそ春に大輪の花を咲かせることができるのです。「冬は大地にしっかりと根を張る時期」です。寒さに負けず頑張りましょう。今鍛えたぶんだけ春からの大会に、大きな花を咲かせることができるように、今がんばりましょう』
 
 楢葉中学校の第2学年通信No143(平成20年1月10日発行)「冬の部活動」という記事のなかに記されていたことばである。
 
 楢葉の大いなる自然にはぐくまれ、偉大でたくましい自然の姿を見るにつけ、自分たちの姿を重ね合わせて、いずれ訪れる春に満開の花を咲かせられるよう、「今・この一瞬を精いっぱいがんばる」ことを続けていく大切さを感じました。選手たちは今どれほどたくましく頑丈な根を張っていっているのか、訪れる春がいつ来るのか、そして咲かせる花はどんな花なのか、それは一人ひとり違うでしょう。自分の中に何事にもゆるがないしっかりとした根を張っていってほしいものです。
 
*写真は本日の早朝に撮影したものです。太平洋から昇る朝日と、周辺の山々です。山の斜面にかすかに見える白い部分は日曜日に積もった雪です。
 
コーチ:坂尾美穂
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2008年02月02日

1・2月誕生日パーティー&節分

 毎月恒例誕生日パーティー。アカデミー生はこの誕生日パーティーをタンパと呼んでいる。最近の中高生は何かと略すことが多く、いったい何のことを言っているのか理解に欠けるのは私だけであろうか・・・。
 さて、今月の食のテーマは寒さが厳しいこの季節に何とも言えない温もりを与えてくれる鍋。更には明日の節分も兼ねて恵方巻も準備された。まずは、全員で南南東を向きながら恵方巻を無言でかぶりつく。節分の日にその年の恵方を向きながら無言で食べるというのが昔からの風習のようである。静けさの中に響くボリボリとする音が何とも滑稽な様子であった。恵方巻が食べ終わる頃には鍋からなんともおいしそうな匂いと煙が沸々と沸き上がりいよいよ鍋パーティーがスタート!サッカーの話、日常の話、学校の話、進路の話、恋愛の話等々を交えながら一つの鍋をそれぞれで囲み、心も体も温まっていたようである。その後、お馴染みのショートコントや歌などが披露されたが、毎回ネタを仕込む時間はほとんど割いていないと言う。しかし、その割にお互いのコンビネーションやテンポも軽快で、昨日今日の芸風ではなく感じさせるのは4月からこれまで培われた成果であろう。
 最後に豆まきを行って邪気を払い、今年一年安全かつ健康にいられるように思いを込めて年の分の豆をしっかり食べて終了した。もちろん鍋でお腹を十分満たし、もう何も食べられないとあんなに言っていたはずであるが、食後のケーキは欠かさない。出されたものは残さず食べる。確かに間違っていない。
 昨年の4月から行われた誕生日パーティーであるが、28人でのパーティーは残すところラスト1回となる。4月からはいよいよ新たな仲間も加わり6学年揃ってのパーティーとなる。更に盛大になることが今から待ち遠しい。
 
GKコーチ : 小林 忍
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