JFAアカデミー福島

Diary ダイアリー いきいきとしたレポートをお届け。

cms.diary

« 2008年12月 | 最新情報 | 2009年02月 »

2009年01月05日

全日本女子ユース(U-18)選手権大会③

予選リーグ③ vsHOYOスカラブFC 3-2(前半2-0)
 
 大会初日・二日目の2連戦で感じたこと・知ったことを個人個人がトライすることを一番の目的としたゲーム。加えて、チームで戦うことの大切さ、チームの中で自分がどのように関わっていくかを考え実践することも目的となった。
 具体的には、個々がゲームを振返り論理的に分析する。そして次のプレーに活かす。この繰り返しである。しかしチームスポーツであるサッカーではそれだけで終われない。分析したものをチームに反映させる一歩を踏み出す責任がある。コミュニケーションをとることである。自ら考え積極的に表現しなければ世界で出ていく選手にはなれない。それが習慣化され、意識すればできる→いつもどんな時でもできる、に変えていく。つまり自分の能力にして世界に羽ばく準備をする。「表現する」とは「言葉」で具体的に論理的に伝えることである。「いつもどんな時も」とは例えば試合であれば、漠然と前後半のプレー中に意識するだけでなく、試合前、ハーフタイム、試合後、メンバーチェンジがあったとき、失点したとき、得点したとき、ゲームの流れが相手に移りそうなとき、タイミングが合わなかったとき、考えていたことが合わなかったとき、と細部にわたり噛み砕いて意識する。こういったことにもトライした。
 ゲームからのプレーの課題は前2試合とほとんど同じだろう。失敗しても投げ出さずに忍耐強くトライを続けることが大切な年代。悔しさや失敗する怖さがあってもトライする。失敗のシーンは似てくるかもしれない。課題だからこそそう簡単には身に付かない。しかし一見気付かないようなレベルでも確実に変化していっている。
 中3の選手は中1の頃に比べ、単純なパワー・コンタクトの強さやパス・シュートの距離といった身体的な成長が大きく影響する要素は年齢や継続的な体幹・バランストレーニングとともに伸びていっている。当たり前のことである。だからこそサッカーのボールを使ったトレーニングではテクニック・判断の質とスピード・動きの習慣化・持久力・タイミングを理解し、一瞬のタイミングを感じられるようになること・観ることの質を高めることにトライし基本の質を高めていく。サッカー選手として土台を大きく強固なものにしていくトレーニングを今年も続けていく。
 
文:コーチ 坂尾美穂
g090105-01.png
g090105-02.png

2009年01月04日

全日本女子ユース(U-18)選手権大会②

予選リーグ② vs藤枝順心高等学校サッカー部 1-4(前半1-1)
 
 高校生年代であれば組織的な守備を実践してくる。守備時やルーズボールへの球際の強さやチーム全体での連動も特徴的。年代の差も関係して、パワー・スピード、そしてキック力にも違いがある。アカデミーの中学生たちにとって、フィジカルに勝る相手が組織的に強い守備ブロックを形成してきた場合に、それをいかに突破してゴールにつなげるか、この術を身につける、またその術を身につけるためには今の自分は何が特徴で何が課題なのか、それを感じることができたゲームとなった。
 日本の選手たちが世界の舞台で戦うときもおそらく似たような構図となるだろう。
 攻撃の部分では普段のトレーニングで身につけている力がDFのプレッシャーの強さを相手にという観点どのレベルなのか、どれくらいless time less spaceの状況でテクニックが発揮できるのか、判断のスピードをあげられるのか、観て選択肢を増やせるのか。まさにトレーニングで身につけてきた力の振返りになるゲームであった。
 守備では、前日の課題にすぐにトライ。こういった部分がリーグ戦方式の長所である。
W-upの時間を使って少しだけトレーニングして臨んだ。特にDFラインのチャレンジ&カバー・遠いサイドのサイドバックのポジショニング。そして、11人全員で守備をする、そのブロックをどこに作るのか=ボールへのプレッシャーはどこから活かせるのか、それ以外の10人のポジショニング予測が大切であること、そこから判断して連続したアプローチを与えること、これらを確認した。
g090104-01.png
g090104-02.png
g090104-03.png
g090104-04.png
 結果としてはビルドアップのミスから3つの失点。守備の対応(予測、ポジショニング)から1つの失点。これからのトレーニングで身につけるべきものを多く感じたゲームとなった。相手のブロックの中でいかにボールを受け、状況を打開し、前に進んでいくか。ポゼッションの課題である。テクニックの課題とoffの選手の関わり方の課題。判断・動き・関わりのスピードの課題。前半は相手背後や逆サイドのスピードアップする場面も見られた。常にゴールを意識したプレーから得点することもできた。出来た部分もあった。しかし80分というゲーム全体を通して振り返ると、課題ばかりを感じた選手がほとんどだっただろう。前を向く、前にボールを運んでいく技術、アクションの質も含め精度をもっといくことが大切。
 
文:コーチ 坂尾美穂

2009年01月03日

全日本女子ユース(U-18)選手権大会①

予選リーグ① vs鳴門ポラリスレディースフットボールクラブ 9-2(前半3-1)
 
「ゴールへのこだわり」
 攻撃 → ゴールを奪う
 守備 → ゴールを守る、ボールを奪う
 
ことから、「4つの状況」の理解につなげてゲームに臨んだ。
 
 ①攻撃時の目的
 ②攻撃から守備への切替
 ③守備時の目的
 ④守備から攻撃への切替
 
そして、②と④をより素早く判断良く効果的に行うための、攻撃時に守備の要素として何を考えておくか、守備時にボールを奪った時に有効な攻撃につなげるために何を観るか、ということも確認。
 大会1試合目で早速学ぶ要素がたくさん抽出されたゲームになった。攻撃時のアクション(動き出し)のタイミング(offの選手)と味方のアクションに合わせてパスを出すためのボールの持ち方、マークしているDFの逆を突くためのファーストコントロールの質(onの選手)。『観る』とは『いつ・何を・どのように観るのか』。一人ひとりのタッチ数(ボールを持つ時間)が多くなり、スペースのある方をうまく使えない、オフサイドの数がやたらと多くなったゲームからこれらの課題が抽出された。
 そして、DFの選手もチャンスと感じたら効果的な攻撃参加をトライしようとする姿勢から両サイドバックが同時に高い位置まであがってしまい、DFのバランスを崩しカウンター気味に攻撃されたことから攻撃時の守備のバランスを学び、そしてディレイすること、ゲームの中(105×68mのピッチ)でのチャレンジ&カバーの理解、ボール保持者にアプローチしている選手から遠いポジションの選手であっても、ピッチ上の11人全員が守備時には良いポジションを取り、常にボールに強いアプローチがかかることが大切であること、2vs1の守備であればコミュニケーションをとり、より有効にボールを奪う術があることを学ぶことができた。
 
文:コーチ 坂尾美穂

2009年01月02日

全日本女子ユース(U-18)選手権大会

 九州・宮崎で開催される全国大会に参加。束の間の正月帰省を終え、宮崎の地で最集合。
中学生+GK中村(高1)のチーム編成で臨む。九州の南国・宮崎ならではの温かい気候の中で、積極的なトライしよう。各地域予選を突破してきた全国の強豪チームと高校部活動チームの2トップが参加するこの大会では公式戦ならではの緊張感を肌で感じ、勝利へのこだわりを実践し、タイトルのかかったゲームの厳しさを体験する。
 また、リーグ戦形式のグループ予選では、『ゲームでの振り返り』=課題と成果を感じる・その日のゲーム内容からサッカーの戦術を学習する、と『(良い刺激の後の)トライする』が交互に行えることにも大きな期待。
 
文:コーチ 坂尾美穂

2009年01月01日

新年のごあいさつ

 新年あけましておめでとうございます。
 3年目を迎えたJFAアカデミー福島、今年は節目の年となります。
 女子では、初めての卒業生が5人出ます。男子では、1期生が中学を卒業し、富岡高校に入学する年となります。そして、やってきた内容についても、3年を一区切りに、見直していく時期にも来ています。男子においては、中学生年代に必要なことをアカデミーのみならず全国に発信してきました。その甲斐あって、13歳、14歳といった今まであまり顧みられていなかった年代の重要性を伝えることができました。具体的には、さまざまな研修会で、アカデミーのコンセプトを伝えることができました。直接私たちのことではありませんが、Jリーグを中心に、全国で、14歳、13歳のリーグ戦が始められ、今まで試合機会の少なかった年代に大きな刺激が与えられるようになりました。そして、次のステップとしては、高1年代の指導がどうあるべきかということを、指針として示すときにきたと考えています。また、中学年代の指導に関して、今までやってきたことがすべて日本の環境に適しているのか、もっとよくするために何をすべきなのか、ということも、我々自身が考えていかなければならないと思っています。
 女子については、なでしこジャパンの北京オリンピック、U-20ワールドカップチリ大会、U-17ワールドカップニュージーランド大会と、ベスト4に入ることはできませんでしたが、世界のトップレベルと伍してすばらしい内容の試合を展開し、世界的にも評価を得てきました。その中に、このアカデミーの所属選手が5人おり、最初の成果は表れたと確信しています。しかし、これで満足するわけにはいきません。本当に世界のトップレベルで活躍する選手を育てるにはどうすべきかということを、女子についても、もう一度検証していく必要があると考えています。
 2009年、節目となるこの年、新たなスタッフも加え、そして、我々の兄弟校であるJFAアカデミー宇城も開始し、あらためて初心に帰るつもりで活動していきたいと考えています。
 今年も皆さんどうぞよろしくお願いします。
 
JFAアカデミー福島スクールマスター  田嶋幸三

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

スケジュール