JFAアカデミー福島

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2009年03月01日

卒校式

 高3の5名、岡本悠希、亀岡夏美、菅澤優衣香、水野加奈子、山根恵里奈がアカデミーを巣立つ日がやってきた。アカデミーに入校してからずっと最上級生として、道を切り開き、ピッチを開拓し活動の場を広げ、常に後輩たちの先頭に立とう、たくましい背中を見せようと努力してきた5人が卒校していく。今日はみんな晴れやかな表情だ。上級生として苦楽を共にし、今日も一番近くで先輩の晴れの門出に立ち会う高2の選手の表情も実にすがすがしい。仲間の旅立ちを一緒に喜び、そして今後アカデミーを先輩以上に力強く引っ張っていこうという決意を秘めているであろう、写真を撮っているこちらをも晴れやかな気持ちにさせてくれる、実に良い表情だ。
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 今日は3年間通った富岡高校の卒業式の日でもある。最後の登校日。入学式のときと同じ制服で記念撮影。しかしその表情は3年間での成長を表わすように大人の顔に近付いている。同じ学び舎で、チームや種目、目標とする場は違うけれど、高いレベルでお互いを高め合った同窓生との最後の行事。卒業証書授与式では、凛とした女性らしく、会場に通る澄んだ声でしっかりと返事をしていた。退場する時は、3年間の思い出がよみがえったのか、目に熱いものがこみ上げる生徒も。
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 登校前にアカデミー在校生からのビデオレターを観る。フロリダ遠征中の中1から高1も学年ごとにメッセージを準備していた。志を共にし、高めあった仲間、寮で寝食をともにし、常に一緒に過ごしてきた仲間だからこそのエピソードがある。学年ごとの色や工夫が見られ、鑑賞中は大爆笑の連続。観るのはほんの数分だが、これを作成するのにたくさんの時間を費やしていることを理解している卒校生たちは、後輩の想いを温かく受け止めていたことだろう。
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 卒校式。日本サッカー協会名誉総裁、高円宮妃殿下のご臨席のもと、福島県副知事の内堀雅雄氏、犬養基昭会長、福島県、富岡町、楢葉町、広野町からたくさんの方々にご出席いただいた。もちろん学校関係、アカデミーからも。3年間支援してきてくださった多くの方に見守られ、旅立っていく。多くの方に支えられている喜びと感謝の気持ちがあふれる、そして旅立ちに伴う寂しさが交錯する。しかし、これが終わりではなく、ここが始まり。そんな想いを伝えるアカデミーでの最後の活動。卒校式では、高円宮妃殿下と田嶋スクールマスターから、記念品である扇寮の名板と卒校証書が手渡された。
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 在校生、鳴澤からの「Farewell speech」。フィロソフィーを軸に高めあってきた日々。エリートに近い存在に成長した先輩への尊敬。失敗しても構わないから常に前を向いて進んでいってほしい、そんな言葉が続く。そして最後に、常に夢を持ち続けて、たくさんの経験をしてたくさんの可能性を持つ凛とした女性になってほしいという激励の言葉。それはサッカーだけでなく、人生において。現役選手の先にある人生においても可能性を広げ、夢を持ち続けてほしいとの熱い言葉。そしていつか夢の舞台で一緒に「なでしこの花」を咲かせたいと。そのために、アカデミーで蒔かれた種を自分自身の力で肥料を与え、咲かせてほしいと。自分自身で考え、堂々と自信に充ち溢れた姿で伝えた。
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 卒校生、山根からの「Resolution speech」。「なでしこvision」で掲げた目標のひとつである「なでしこジャパンを世界のトップクラスにする」こと。夢のひとつである「なでしこジャパン」の一員となり、世界で通用するプレーヤーになるという決意。そのために「心・技・体」を高めた3年間。トライ&エラーを繰り返した。U20、U17のピッチにも立ち、世界の強豪とわたりあい、勝利を収めることもできた。その反面、「世界で勝ちきっていく力・術をまだ見につけていない」ことを知った。そして「喜び」を知った。「勝利を手にする喜び」「仲間とともに戦える喜び」「サッカーができる喜び」。これら、アカデミーで得たかけがえのない財産を手に、旅立っていく。
 サッカー選手として、「なでしこvision」を達成し、日本女子サッカー界を引っ張っていくこと。一人の人間として、社会に貢献する真のエリートになること。一人の女性として、「なでしこ」らしく、内面からたくましく美しく凛とした女性になること。アカデミーのフィロソフィーを芯にとらえ、参列した多くの皆様に新たな決意を宣言した。
 そして最後に、家族、サッカーに出会うきっかけをくれ、楽しさを教えてくれた先生やコーチ、アカデミーの立ち上げにかかわった多くの方々、スタッフ、ともに高め合ったアカデミーの仲間に感謝の気持ちを伝えた。
 
 二人とも本当に素晴らしいスピーチで、アカデミーのフィロソフィー・校訓を体現していた。最後に流れたクロージングビデオでは、羽黒荘から始まった3年間をまとめた映像が流れた。最上級生の高1といっても心身ともにまだまだあどけなかった頃がよみがえった。これから先、どのように成長していくのか、楽しみだ。
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 1期生中3男子と。各自の役割を果たしてくれたことに感謝。彼らもこの3年間で大人の階段を上っていっている。外見だけでなく内面も。司会を務めた平川君。素晴らしく堂々とした立ち振る舞いで式を進行してくれた。
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 卒校式後に3名が寮を後にした。扇寮に移ってから、影から自分たちを温かく見守り支えてくださった鴫原お父さん、お母さんに心をこめてお礼。調理実習やお菓子作りで一緒に厨房に立ったことを思いだす。朝食のあと、「行ってきます」の言葉に、「行ってらっしゃい」といつも温かく答えてくれた。試合にもそっと駆けつけ応援してくれた。心の中を寂しさが支配する。でもこれがお別れでない。これからさらに大きく成長して、またその姿を見てもらえればとても幸せ。
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 立ち上げから2年間、選手管理として時には怒り、諭し、励ましてくれた堤さんも駆けつけてくださった。アカデミー入寮のときは羽黒荘で、そして巣立っていく時は扇寮で、あの時と変わらない笑顔で。
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 そして次の日。残りの2名も寮を後にした。最後の最後、ぎりぎりまでバタバタと引越しの準備が終わってない姿は相変わらず。退寮するその日にも苦言を呈したくなるほどかわいい選手たち。卒校生を送る会、そして卒校式でそれぞれの新たな決意を宣言した。それを今後の人生で実現していってほしい。アカデミーのフィロソフィーと校訓を軸に。いつも心に大きな夢と大きな志を持ち続けて。
 
文:コーチ 坂尾美穂

フロリダ遠征7日目

 今日の天気は曇り。風が強くてとても冷たく、フロリダとは思えない気温だった。午前11時キックオフで練習試合があった。今日も30分3本で、相手はFC BOCAという南フロリダのチーム。見た目は体格が良く、背がとても高かった。1本目は慌てずに組み立てて相手のスキをつくということを意識して試合に臨んだ。しかしスピードもあり、テクニックもある相手に自分たちのペースをつかめず、先制点を奪われた。その後なんとか二点奪い返し、1本目が終了した。ハーフタイムの選手ミーティングでは意見がなかなか出ず、コーチの手を借りることとなってしまった。やはり、もっと自分の意見をどんどん仲間に伝えていく必要がある。その中で11人全員で、よかった点や悪かった点を話し合い、共通理解を図って、次の試合で改善していかなければならない。その点でまだまだ足りなかったと思う。2本目は中1と中2を主体として戦った。結果は0-0。点が入らなかったのは組み立てのあとのシュートにつながる有効的な突破ができなかったことが原因のようだ。3本目も0-0。組み立ても大事だが、突破へのアイディアを持ってシュートを打っていかなければ勝つことはできないと今回の試合を通して感じた。
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 午後は、宿舎の近くに逃走中の指名手配犯がいるということで一時外出が禁止されたがクリアになり、各々の時間を過ごした。ショップにお土産を買いに行く人、広場でボールをける人、宿舎でリラックスする人などさまざまだったが、試合の疲れをとることができたようだ。
 夜のミーティング後、中3は卒業式の練習をした。卒業証書の受け方に始まり、式歌の練習もした。昨年中学校を卒業した高1の助けもあり、スムーズに練習を終えることができた。歌はバラバラで少し心配だが・・・(笑)もう卒業だと思うと中学校3年間の思い出が一気に蘇る。中学校3年間では、寮生活ならではの経験をたくさん積むことができた。その経験を今後に生かしていきたいと思う。
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文:和田奈央子(中3)

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