キリンカップ ボールパーソン
アカデミーの4期生、男女合わせて総勢21名で国立競技場に遠征してきました。
目的はキリンカップの運営のお手伝い。仕事の内容はボールパーソンとゲーム前後のローピング。日本代表選手になりたい、世界で活躍する選手になりたい、大きな夢を抱いて楢葉の地にやってきた選手たち。生活も学業も、そしてサッカーも積極的なトライを続ける毎日を送っている。
代表選手になるというひとつの夢の舞台を間近に観て何を感じただろうか。代表という夢の舞台はたくさんの人の想いを背負っている。選手だけではない、青いユニフォームを身にまとい、選手たちに力を与えてくれるサポーター、重い機材を抱え会場の興奮とピッチで躍動する選手の様子をスタジアムに来ることができない多くのサッカーファンに届けるメディアの方々、そして大会・ゲームが滞りなくスムーズに進むように雨に濡れながらも正装で運営を行う方々、そんな多くのマンパワーが集まって最高のゲームが成り立っている。
今回、4期生たちは運営の一端を担う仕事を任され、その仕事に一生懸命に取り組んだ。中1というあどけない表情としぐさを観ると、与えられた役割を全うできるのか、我々の仕事を担当した東京都協会の方もかなり不安だったようだ。しかしその不安はいい意味で裏切られた、と最後にお褒めの言葉をいただくことができた。
与えられた役割はしっかり果たすことができた。一方で、視点を変えてみると、スタジアムにいるさまざまな立場の人たちが目に入っただろうか。今の自分たちの位置とは少し距離のある大人の世界のことかもしれない。しかし自分たちが目指す場所は、多くのマンパワーが集結して成り立っていることも敏感に感じてほしい。そしてそこにある、日本代表に期待し、応援する多くの人の想いも。
キックオフ前の打ち合わせ。自分の立ち位置、役割分担、タイムスケジュールを理解する。そうはいっても、状況に応じて各自の判断も要求される。直前までは控えのスペースでリラックスしていた選手たちも、緊張の表情へと変わる。
選手入場に合わせてローピングの仕事。このあと素早く、ボールパーソンのために自分の立ち位置につかなければならない。次に行くところはあの位置、と心の中で何回も確認しながらも、近くで観る代表選手たちに目を奪われる。
ボールパーソンでボールを持つ選手たちは待機。ボールを受け取りながら、お互いに言葉をかけ合い、仕事を確認する。会場に到着したときは空席が目立ったスタンドも、すでに満席状態。
さあ、いよいよキックオフに近付いてきた。運営スタッフの最終確認に耳を傾ける。
前半のひと仕事を終え、ハーフタイム。ひとまず休憩。緊張をほぐし、前半の仕事の振返りと修正を行い、後半へ。
素早くボールの受け渡しを行う。ベンチにボールが入ったり、ボールがラインをわった際に選手にボールがここにあることをアピールしたり、状況判断とタイミング、素早い動作が求められた。
試合終了後のローピング。仕事をしながら、勝利に笑顔を見せる代表選手たちを見つめる。その瞳にはこの光景がどのように映ったのだろうか。
コーチ : 坂尾美穂