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2009年06月11日

中学生トレーニングマッチ vsアカデミー男子U13

 中学生チームは、今年に入って定期的にアカデミー男子U13チームとゲームを組んでもらっている。本日はその4ゲーム目。ちなみに前回のスコアは20分を3本行って0-6(0-3、0-2,0-1)。お互いに攻防のある好ゲーム、観ている側にとっても面白い内容だったが、サッカーのゲームとして考えると失点が多すぎた。
 前回のゲームは、攻撃のテーマを多く持って入った。過去2戦で相手がどんなチームか、スピードがあり、アプローチも早い、その上、パスを回しボールを素早く動かしながら攻撃をする。選手自身が感じていた印象である。ビルドアップで一人がボールを持つ時間が長く、自陣で相手に囲まれ、相手陣地に進入する前にボールを失うシーンが目立っていた。従って、「時間がない」「スペースがない状況」でいかに攻撃を組み立てるか、攻撃のキーファクターを整理してゲームを行った。そして出た現象が上記した通りである。相手のスピードある攻撃を遅らせることができず、失点を重ねてしまった。
 出てきた課題が守備の部分。相手がスピードアップする前に守備の準備を整える攻守の切り替えの速さ(失ったと同時に守備を行う)、ボール保持者に対して必ず一人はアプローチ(ファーストディフェンダーの決定)、off the ballの選手のマークを明確にしておく(マーカーにパスが渡る前に、マーカーがアクションを前に)、誰が行くのか、誰が指示を出すのか(状況が見えている後方の選手、センターバックであることが多い)といった責任の所在の明確化。
 今日のゲームでは守備のテーマを多く持ってゲームに入った。前回のゲームで抽出された項目に加え、ボール保持者への守備は相手に近い距離(離れない)で粘り強く、ということも確認。
 ゲームとしては、前回以上に攻防のある好ゲームになった。30分を1本、20分を2本行い、7-6(3-1、1-3、3-2)。全体で守備意識が高くなったため、攻守が入れ替わってから一気にゴール前まで突破されるケースも少なくなった。また、ボール保持者には必ずアプローチに行き、その守備が相手に近い距離で粘り強く対応できたため、セカンドディフェンダーの選手がパスコースを予測し、インターセプトでボールを奪うシーンも多かった。攻撃に関しても、ピッチ68mの幅を使った広がりと関わりのある攻撃が何回も見られた。アタッキングゾーンでの突破場面においても、最後まで選択肢を持ち、関わり続けることもできた。
 今後への課題を挙げると、相手MFの常に動き有効なポジションを取る選手に対してどのようにマークにつくか。DFライン(4枚)で2枚が余ることのないように、守備においても周りを観ること(特にボールウォッチャーにならない)、常に動いてポジションを修正すること、相手選手の様子を観察することが大切。また、試合時間が経過するにつれて、組み立てにおけるプレーの精度が落ちてくること、守備が甘くなること(結果を見ると失点の数はかわっていない・・・)、が挙げられる。攻撃面全般でいえば、シュートテクニックの向上、基本の質(動きながらのテクニック、観ておくこと、動きの質、動きの習慣化)はまだまだ向上させていく必要があることは変わらない。
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 攻防のあるゲームの中で、攻撃時においては動きながら観ること、テクニックを発揮することとともに、DFの状況を観て、いつ・どのように動き出せば突破できるのか、off the ballの選手のプレーの質も高めていく。
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 ゴール前の激しい攻防。ボール保持者から離れず、相手と近い距離で守備をし、最後は体を投げ出してでもゴールを守る。
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 互いにコンパクトな状況を保ちながらゲームを展開するため、DFラインの背後のスペースに対するゴールキーパーのスイーパーの役割も大切になってくる。おのずとフィールドプレーヤーとの連携が必要な場面も多くなり、選手たちはゲームの中で、コミュニケーションをとること、スペースへの対応などを体得していく。
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 意図なくボールを足元に止めてから考えようとすると途端に囲まれる。グループでの関わり(off the ballの選手の関わり)が少ないことも原因となる。互いにハイプレッシャーな状況でのゲームから、攻守ともに得るものが多い。これらをトレーニング場面でも創りだし、技術・判断・持久力の向上を継続して行っていく。
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 ゲーム前に意見交換をし、互いの考えの共有を図る。
スタッフにとって良い意味で驚きであったことの一つに、ハーフタイムでの選手の様子がある。1本目のゲームが終わり、戻ってくるとすぐにゲームの修正点を話し始めたのだ。それぞれの感想をただ言い合うのではなく、ゲームの内容に沿った項目を、分析し、具体的な修正点を導き出す。それもスタッフに促されたり、チームの決まり事でそういう行動をとったのではなく、自らの意思で、そしてチームの全員が共鳴して。いつも以上に心の芯の部分からゲームに勝利するための想いが沸き立ち、頭ではなく、気持ちが先にうごいたのではないかと感じられる光景だった。
 
コーチ : 坂尾 美穂

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